「地図をつくる」展

Yoshimi’s Map Exhibition
「地図をつくる」展

この度、文化庁AFF2採択事業として黒川企画室の「地図をつくる」展を開催いたします。

コロナ禍で人や地域の関わり方は激変してしまいました。国際情勢の混乱も始まり、すべての現代人はこれからの生き方が問われている状況といえます。そこで、soilでは吉見町が疫病にどのように対処し、世界の変化に適応していったのか、土地に潜む生き抜くための力をアートの力を用いて探究します。
例えば、ポンポン山という所に獅子封じ塚なるものがあります。数百年前に痢病が流行した折、産土神が悪疫を食らう獅子舞に咎めているとされ、獅子頭を埋めた塚の上に柊を植えたところ、たちまち痢病が治ったといいます。獅子すら倒す存在が眠る場所が、古代から「踏めばポンポンと鳴る」と親しまれていること、それ自体が時代を超越できる人間の逞しさを証明するのではないでしょうか。

このように客観的観測では見落としてしまう生命の連鎖を繋ぐ種をアーティスト独自の視点で収集してみたいと思います。口承、あるいは博物学調査を基に強靭な物語性のある場所を、絵画、あるいは写真によって表現し、近世の探索家のような想像力に富んだ地図としてまとめます。加えて、絵画と写真の展示をします。

黒川知希は、隣接する北本地域で育った国際的に活躍する10年以上のキャリアの画家で、吉見町には幼少期の原風景があるといいます。
大量消費文化のなかから滑稽な要素を抽出し、現代絵画の文脈に組み替えることに長けています。本企画では陳腐化しつつあるステレオタイプなイメージを画家独自の超現実的な絵画として表現します。
大畑陽子は、古くから吉見町に暮らしてきたことを遡ることができる家系であり、芸能人の写真なども多数手がける第一線で活躍中の写真家です。
近年は出産を機に拠点を吉見町に移し、家族の絆をテーマに作家性を探究しています。本企画ではファインアートとしての吉見の風景写真の他に、吉見が好きで棲みついた謎のモンスターの目線を写真で表現します。

会期中、地域を鑑賞するワークショップを検討しております。多くの政変によって断たれた伝承が数多い吉見町の、これまでとこれからを生きる人々が新たな物語を紡ぎ始める場となることを目指します。

会期:2022年12月22日(木)〜2022年12月29日(木)

開廊時間:11時〜18時

会場:soil(埼玉県比企郡吉見町長谷1591-63)

画家・黒川知希と写真家・大畑陽子がビジュアルを担当し吉見町の地図を作り、その作品をsoilで展示します。


【作家紹介】

Tomoki Kurokawa
黒川知希

三重県生まれ。画家。2000年よりイラストレーターとして活動を開始。主な活動分野は書籍、CDジャケット、ファッションなど。2008年より絵画制作を開始。NANZUKAに所属。近年は自身のプロジェクトを中心に精力的に活動している。
instagram @tomokikurokawa

Yoko Ohata
大畑陽子

photographer 1983年生まれ、埼玉県吉見町出身。スタジオアシスタント、フリーアシスタントを経て独立。人物写真を中心に雑誌や広告、web等で活動中。被写体のエネルギーが写る様な写真を撮るのを得意とする。2022年、写真集「Nana」出版。

【関連イベント】

①「地図をあるく」(ウォーキングワークショップ)
「地図をつくる」展で制作された地図を見ながら、実際に吉見町を歩いてみようという試みです。道に詳しい地元の方を案内人としてお招きし、おすすめコースを皆で歩き巡りながら、吉見町の豊かな自然と歴史を堪能します。
12/27(火) 10:00~12:30 / 料金 : 2,000円(地図、お茶とお菓子付)
      
ワークショップの詳細・お申し込みはこちら


②「ギャラリートーク」
soilの渡邉陵平と、画家 黒川知希、写真家 大畑陽子、アートディレクター 黒川早苗が、本展覧会のこと、作品制作、地図制作などについてお話しします。
12/22(木)15:00~16:00 / 場所 : soil / 観覧無料 / オンライン配信予定

③「オープニングパーティ」
本展覧会開催と地図の完成を祝う、作家を交えたささやかなパーティを行います。どなた様もお気軽にご参加ください。
12/22(木])17:00~ / 場所 : soil / 出入自由

【会場までのアクセス】

会場:gallery soil
soilは日本のアーティストが豊かに成長していくための土づくりを目指すギャラリーです。吉見丘陵の修験の名残のあるこの土地で、世界を目指す美術家と並走しています。

■東武東上線東松山駅からバス

・マイタウン中央循環線「市民病院行」バス停「市営住宅」から徒歩18分

・タクシーご利用の際は、東武東上線東松山駅もしくはJR高崎線吹上駅からが最寄りとなります。

■駐車場2台